この仕事に従事しだして15年程になります。
当初は特養のユニットで働いていました。介護職としての大変さの中で中心になるのはやはり職員さんとのかかわりと、業務多忙にもかかわらず刻々と変化していく現場の仕事の流れや、利用者さんとの関りがメンタル面に大きな影響を与えるように感じます。
人とのかかわりが多い仕事
どの仕事も人とのかかわりあっての仕事です。これは介護に関して特別というわけではなく、どの業種も同じだと思われます。
しかしながら、福祉関連の仕事は対人支援職というくらい、関係性も密接です。
排泄関連などの援助は一般的な他業種ではあまりというより密接にかかわる事はほぼないと思います。
しかし医療は、福祉は特に身体援助がある場合などは他のサービス業に比べても限りなく近い関係性が生まれます。また、これは精神部分にも影響しており、関係性がとても身近になってしまう傾向があるように思います。
身近過ぎるから普段は他者とうまい事距離感を保っているのにその距離感がつかめなくなるのかもしれない
これは不思議な事ですが、利用者さんにはとてもフレンドリーに接しているのに、そのご家族にはお客さんのように振る舞う。そんな人も多いと感じます。
これはいいかえるとそれなりに利用者さんとは身近な間柄になっているからととらえることができます。
気の知れた友人のような感覚です。
半面ご家族には「お客様」という距離感が維持されます。これは、上述のかかわる時間の長短が関連しているからだと感じます。
実際、比較的家族とも関係性が密になる在宅の介護などではご家族とも親密になるといったことも多いように感じます。
何故メンタル的に疲弊してしまうのかの考察
これは色々難しい側面はありますが、一つの可能性として私なりの考察を記してみたいと思います。
そもそも、医療や、福祉に携わる人は多くは原則としてそこまで人との接点を持つことに対して否定的な人ではないというパターンが多いと感じます。
中には経済的な理由という方もあると思いますが、ある程度コミュニケーションが必要であることはおおよその人は想定して入職されると思います。
しかしながら、上記の人と接する時間が長くなり、当初は良い面だけを見ていてもそのうち、相手の良くない面が目立つようになってきます。
これは職員、利用者双方にあります。
また、人は無意識のうちに「私はこのようにしたい」という思いがあります。
自己実現の欲求です。
半面施設や、対人相手では仕事の性質上「自分」というものを譲らないといけないわけですが、人は自分という物を本来譲ることを望みません。
自分の思いがあるからやはりその駆け引きにいら立ち、大きなトラブルになったり、また、それが自身の力で解決ができないと無力感から精神的に体調を崩してしまうことがあるわけです。
人間とは表に出すことは少ないのですが、自分ファーストです。
日本では自分が良ければ他者を押しのけてまですることは良くないという文化があるように感じます。
自分ファーストというのは悪いことでは無くむしろ自然な事です。
言葉に出すことはあまり日本ではよくないのですが私は自分ファーストという事もとても大切だと感じます。
たまには自分を守ってあげないと心がすさんできます。人を援助するだけでなくまずは自分を愛することが大切だと感じます。